歴史的名演。
ロドリーゴのギター・コンチェルト「アランフェス協奏曲」第2楽章“アダージョ”。
以前にも全曲紹介済みですが1966年録音の忘れられかけている名演を改めて。
ギターはウィーン出身のジークフリート・ベーレント、この人は前衛作曲家としても活躍しました。
名匠ラインハルト・ペータース指揮ベルリン・フィルハーモニーとの共演。
現在に至るもベルリン・フィルがこの作品の録音に携わったのはこの一枚だけです(DVDはあるのです。
バレンボイムとジョン・ウィリアムズが協演)。
ベーレントのギターはワイスガーバーという旧東ドイツの制作者によるもので、
スペインや当時の西ドイツのギター(たとえばハウザー)に比べ、
倍音が少なく非常に乾いた音色が特徴。
それだけに一音一音の分離が良く、いかにも生のギターという感じがします。
そこに機能抜群のベルリン・フィルですから一聴この楽章にしては甘さが無く辛口な演奏に聴こえるかもしれません。
しかしその音楽フォームの確かさがこの作品の真のバランスと構成の見事さを明らかにしているように聴こえるのです。
特に後半の奔放なギターのカデンツァからオケのトゥッティがフライング気味に飛び込むクライマックスの迫力は
この演奏の最大の魅力。
もはや伝説的となったギタリストと伝説の楽器による歴史に残る名演なのです。
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Joaquín Rodrigo Concierto de Aranjuez for Guitar Orchestra (II Adagio) – Siegfried Behrend