歴史的名演。1962年のザルツブルク音楽祭でのヴェルディ「レクイエム」。
カラヤンのザルツブルク演奏では1958年のウィーン・フィルとの演奏が有名ですが、
これはベルリン・フィルを起用したもの。ベルリン・フィルとの同曲の記録では最も初期ということになります。
録音がモノラル、合唱(ウィーン楽友協会)が遠いということはありますが、
これは超名演です。何といってもメゾのシミオナートの存在。
そしてこれがザルツブルク初登場となった若きギャウロフの圧倒的な声量。
カラヤンがニューヨークで見出し、ザルツブルクの花となったレオンタイン・プライス
強靭な声のザンピエリにとっても生涯最高の「ヴェルレク歌唱」だと思います。
そしてやはり凄いのがこの時のベルリン・フィルなのです。バランス感を保ちながら、
音楽の「うねり」を生み出し、時に優しく時にこの上なく重厚なサウンドで圧倒してくれる。
この時期のカラヤンとのコンビでなければ存在しなかった至高のオーケストラ芸術。カラヤンが得意とし、
数々の録音記録を残したこの作品ですが、一つ選べと言われたら個人的にはこの演奏になると思います。
だってシミオナートが歌い始める「涙の日」が聴けるんですよ!
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Soprano: Leontyne Price, Mezzo: Giulietta Simionato; Tenor: Giuseppe Zampieri, Bass: Nicolai Ghiaurov;…