合唱の名演~エリクソンの遺産⑤。
一応の締めとしてエリク・エリクソンが2005年に残したショスタコーヴィチの無伴奏混声合唱「革命詩人の詩による十の詩曲」を。
日本では恩師福永陽一郎先生による男声合唱用の抜粋編曲「6つの合唱曲」で知られる作品です。
内容的に革命色が強いということでソ連時代は演奏制限がかかり、有名な作品でありながら録音は少なく、
かつてのスヴェシニコフ盤やいくつかの抜粋演奏などが知られている程度。
実際男声合唱で作品自体には親しみを持ちながら、原曲全曲をちゃんと聴いたことのないファンのいかに多いことか。
エリクソンは手兵の室内合唱団とともにロシア色とは一線を画した精緻な合唱曲としてこの作品を蘇らせました。
純正な和声感と完全にコントロールされた発声、バランスの取れたダイナミクス。
歴史的な名演と言って良いでしょう。
この曲を愛した福永先生にも聴いていただきたかった。
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