
歴史的名演~セゴビアのタンスマン。ギターの伝説的巨匠、アンドレス・セゴビアの貴重なライブ。
1955年のエジンバラ音楽祭で弾いたアレクサンドル・タンスマン「カヴァティーナ組曲」。
当時セゴビアは62歳、最も円熟した時期の神がかり的名演です。
「カヴァティーナ組曲」はポーランドの作曲家タンスマンがセゴビアのために作った作品ですが、
現在でもスタンダードな名曲として世界中のギタリストに愛奏されています。
しかし、このセゴビアの演奏は別格。
とにかく音色が違う。
「セゴビア・トーン」と呼ばれた太く甘い伸びやかなタッチは、
後のどのギタリストも真似しようとしてもできない特有のもの。
特に第4曲の「舟歌」における高音のロマンティックな余韻はため息しか出ません。
ギターを志す者は誰もがこのセゴビアの「舟歌」に魅せられ、
そして埋められない差に挫折していったものです、私を含めて
。今日のレベルで聴けば、決してセゴビアの技術は傑出したものとは言えないでしょう。
リズムの崩しや、極端なルバートも時代を感じるものです。
しかしそれでもセゴビアの演奏は芸術として聴く者の心にしっかりと残るのです。
その比類ない暖かい音色と共に。
この時の使用楽器はドイツのハウザー1世、名器中の名器です。
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