ソルの月光という曲

 

ソルの月光という曲、初めて弾いたのは20歳後半のころだった、ベートヴェンのピアノソナタ14番の主題の印象とよく似た曲なのでベートヴェンの月光にちなんで月光という表題が付いた、元々はソルの20の練習曲の5番になる、セーハーなどのテクニックが要求されるが、さほど難易度の高い曲ではない、ところがこの曲50年たった今も弾きこなせない、というのは一音一音がまるでエキスのように濃い曲なのだ、そして曲想も単なるエチュードの度を越えている、セゴビアのゆったりした演奏があると思えば芳士戸幹夫のようにやや早くピアニスティックに弾く解釈もあったり、いろいろである、音楽的解釈になると、そうとう大人にならないと理解できないと思う、小学生の弾く月光はエチュードでしかないだろう、この曲に魅了されたのは50歳を過ぎてからになる、人生の艱難辛苦を味わい挫折を体験しながら、まるでベートーヴェンのような苦悩を味わってこそこの曲にふさわしい解釈が得られる、またこの曲はよくリクエストされるので、弾く機会も多くなるがラブソングでもないので、毎回弾く時々でバックボーンの解釈が異なる、とにかくこの曲はザ.クラシックな曲なのだ、私は孫との2重奏を夢見てその時でも弾けるように練習を欠かさないように心がけているが果たして叶うかどうか?

2018年3月録音 ソル月光 

 

クラシックギター
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