若い演奏家は上手だが、もっと自由に音楽しよう

最近のyoutubeの動画では若い演奏家が本当に

上手に弾きます、小さい頃からテクニックの練習を重ねて来たのでしょう

効率の良い教材と方法で彼らは超絶技巧を身につけています

僕のような年寄りには到底無理です

ところが動画をちょっと長い時間見ていや聴いていると

バリオスでもバッハでもなんか飽きてくるのです

キチッと演奏しているのですが、ミスも無くスピーディな

演奏です、もしこれが動画でなくて生演奏なら良いのかもしれません

昔、渡辺範彦さんの演奏を生で聴きました

とても感動しました、でも彼のCDはライブ版でも飽きるのです

セゴビアの演奏は生ではありませんが何度聴いても飽きません

セゴビアもテクニシャンでしたが。今の若い方はもっと上手です

ではどこが違うのでしょうか?

音色?楽器?でしょうかそれだけの事ではありません

セゴビアの時代はまだ音楽のロマン派の影響があって

自由に音楽を奏でる要素がありました

自分独自のテンポやニアンスを大事にした時代です

今の音楽コンクールでは予選通過も無理な事でしょう

現代奏法はパーフェクトなテクニックとシャープなセンスを問われます

確かにそれな素晴らしいのですが、皆がそれを目指すと

音楽の楽しみが削がれてしまいます、それぞれ人は声が違うように

音楽もその人の歌のような演奏があって楽しめるのだと思います

初心者のころはメトノームも譜読みも大切な要素です

それを無視したら余程の天才でも無い限り本当の音楽は生まれないと思います

背骨があってはじめてしっかり立てるのです

演奏家になるとどうしてもサービス精神が盛んになって

聴衆の求めるダイナミックな演奏を意識します

ややもすると、それのみの演奏家会になってしまうかもしれません

僕はカルリやソルのみの演奏会があってもいいと思うし

やって欲しいものです、魔笛の変奏など難しい曲ではなくて

ワルツや小曲を集めた演奏会が聴きたいと思ったりします

それらの曲を何十分も飽きずに聴かせることができたらその演奏家は音楽家なのでしょう

テクニックを意識させず音楽そのものを感じさせてくれるそんな演奏を期待します

若い演奏家の方は演奏テクニックを競い合うのではなくて

お互いの音楽を受け入れ自分の物として受け止めて欲しいと願っています

セゴビアがそうだったように、一音聴いただけで、その演奏家だと気づく音楽家になって

もらいたいと思います。

 

 

 

 

クラシックギター
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