10年間のブランク

42歳のころ交通事故にあい、左手の薬指を痛めてしまった、事故に会いというのは、オートバイに乗っていたとき後ろから追突されて、当て逃げされた悲惨な事故だった、幸い命に別状はなかったが、大事な指を大怪我してしまい、リハビリに何年もかかった、そして仕事上でも精神的にダメージがあって、ギターとはしばらく疎遠になった時期があった50歳を過ぎた頃楽器の蓋を開けた時、不思議な思いを感じた、まだそのころ楽器はピカピカで新品のようだった、恐る恐る弾いてみたが指も体も思うように動かないし苦痛のの日々が続いた、そうしているうちにだんだん慣れて来て昔を思い出しながら弾いてみた、この時今思えば体は動かないが、耳と楽器だけは進化していたようだ、音色がまるで違った、あの憧れのセゴビアトーンに少し近づけたような錯覚を覚えた、何が原因で音色が変わったのかはわからないが、とにかく音がきれいに聞こえた、10年のブランクで眠りから覚めた楽器の力なのか、吹っ切れた心境に至った精神的な安堵感から生まれてくる音色として私には感じた、初心者のころ演奏フォームやタッチの仕方など神経質に気を使ったが、そのころから爪の長さや角度など自然体で考えるようになった、今も爪は親指以外は短めで指頭弾きに近くなった、クラシックギターは体の指や爪も楽器と一体となっているため、体調が悪いと良い演奏はできない、爪を壊すと最低1ヶ月は調整に時間が必要だ、若い昔から爪の管理には苦労した分厚い手袋は必須用品だったし野球やボーリングも控えた、素人の私でさえこんなだからプロの演奏家はさぞかし大変なのだろうと察する、さて交通事故という重大アクシデントにあってしまった人生だが、この後もっとひどい目に合うことになる

クラシックギター
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